録音／PA音響　モズハウス・スタジオ | 日記 | 防音と吸音の違い

もちろんご存知の方も多いでしょうが、「防音」と「吸音」は似ているようでも違います。「お隣りからピアノの音がうるさいと言われた」、「隣りの学校の校内放送がうるさい」というような場合に問題になるのが「防音」で、「どうもこの体育館で聞く校長先生のお話はワンワン響いて聞き取りにくい」というような場合に関係してくるのが「吸音」です。

防音とは文字通り「音を防ぐ」 ということで、たとえば危険性が問題になっているアメリカの新型輸送機オスプレイは、その騒音もかなりひどいとされていて、もし実戦配備になれば、基地周辺の建物などは一層の防音対策が必要になるかもしれません。

建物の中からの音を外に出さないようにすることも、マンション等で上下の階や隣室に音が漏れないように設計することも、 外の騒音が建物の中に入らないようにすることも、全部「防音」ですが、防音をきっちり行なうためには建物の設計段階で防音対策をきっちり取り入れて施工するのが一番です。すでにある建物を完璧に防音するのは難しい上に、費用もかさみます。

このため、部屋の中に小さなもう一つの部屋を作って、その中でピアノの練習をしたりできる簡易防音ルームが安いもので30万円程度から販売されています。楽器練習や自宅録音のブースなどにはこのような簡易防音ルームを購入するのが確実でしょう。

一方、吸音の方はもう少し話が複雑で、安く簡単に解決できることもあれば、なかなか有効な対策をとりにくいこともあります。一般的に学校の体育館や地方自治体の公民館的な集会所等は、音響効果を考えた設計にはなっていないものです。そこがコンサートや演劇を念頭に置いたホールと決定的に違う部分なのです。（次回に続く）